こらない

2005-05-27 (金)

永田農法ではないトマト

自然食品屋さんが発行しているというフリーペーパーのようなものをお友達がくれた。
特集はトマト。

内容を紹介する前に復習。
トマトに限らず、今の野菜は栄養を与えすぎていてぶくぶくと肥料太りして、栄養価も低いし味も悪い。
トマトのルーツ(原産地)は南米ぺルー、アンデスなどの高地の乾燥した荒れ地。
この環境に近づけてやることによってトマトは本来の味を取り戻す。
これがルーツ農法とも呼ばれる永田農法の基本コンセプト。
水と肥料を極限まで絞ってやることで、なぜか糖度も栄養価も飛躍的にアップするらしい。

これが今アタシが試している永田農法というもの。

さて、先に挙げたフリーペーパーではどうかというと。

紹介されているのは25年以上トマト栽培を続けているというベテラン農家の方。
曰く、「糖度の高いトマトを作るのは簡単。与える水分量を制限すればいい。素人にでもできる」。
「確かに水を切れば甘くなるが、それは本当のトマトとは言えない」
「甘さを強調したトマトは、自然でない」
「皮が固くなって口に残る」
「根も弱って、ミネラルや微量要素の吸収が減って健康じゃない」
「本来、野菜というのは、酸味と甘味のバランスがとれて後味がいい」
「なので、水を切るようなことはしないで、トマトの木を健康に育てて、収穫したトマトでないといけない」
「それは自然な味で、それが本物のトマト」

つまり、永田農法は「自然でない」と。

この方が与える堆肥以外の肥料および資材として、草木灰、医王石、ステビア、発芽玄米酵素、発酵黒砂糖、古代サンゴ、リンゴ酢、カキ酢、蜂蜜…などなどが挙げられている。
「こんなに使っているのは俺だけだろう」
「健全に育てるため、良いものを少しずつ使っている」

いろいろ使っているのは分かった。
そしてそのいろいろは、長い栽培経験、栽培実験の中でベストだと思うものが残った結果なのだろう。
ではその時の「ベスト」の判断とは。
味? 栄養? 色? 形?

アタシは、この方の作ったトマトもきっとおいしいと思う。
この方でなくても、真剣に観察し、真剣に考え、真剣に栽培された結果たどり着いたものであれば、きっとどれもおいしいと思う。
ただ、この特集だけを読むと、「みんな騙されるな! あんなのいんちきだ! 俺のやり方が正しいんだ!」と叫んでいるように感じてしまう。
もったいない。
きっと心ない誰かが「永田農法ってあるじゃん? あれで作ったトマトの方が甘いぜ? あーゆーの、おたくのところで作れないの?」とか言ったんじゃなかろか。

実はアタシは永田農法でひとつ腑に落ちてないことがある。
それを今書いてみていたのだけど、長くなったのでまた今度。

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