こらない

2006-04-08 (土)

2006年3月くらいに読んだ本(5冊)

自己満足、というか、ただの記録メモとして記している「読んだ本メモ」。
そう思って書いているのだけど、あちこちの本読みの人から「あれ、参考になるよ」と言われた。
まあ、びっくり。
というわけで、こらない: 2006年1月くらいに読んだ本の後で読んだ本。

『被差別部落の青春 / 角岡伸彦』

裏表紙の紹介文を見ると「部落差別はまだまだ厳しいという悲観論があり、一方で楽観論もある。その“間”はどうなっているのだろう」と。
出版年1999年当時の「現在の部落」のルポ。
Amazonのレビューを見ると「肩の力抜いて読める」「身構えずに読める」といった記述が多いのだけど、確かに。

部落出身ということに関して、これまでこれといった差別を体験したことがない部落出身の若者。
そこへ親や先代や教育者が「祖先の怒りを感じ、力強く生きて欲しい」と語っても空回り。
あるいはそれでも遭遇する「あの子の家に行っちゃいけません」や「あの地域に行っちゃいけません」、あるいは結婚差別。
調査会社、そして食肉工場への潜入ルポ。
けど、「潜入」とか「ルポ」といった言葉のイメージとは裏腹のやんわりとした内容。

「名古屋出身だというとケチだと思われる」とか「AB型だというと変人だと思われる」程度の話と一緒、などと言ってしまうとあまりに現実を知らなさ過ぎると批判を受けるだろうけど、そんな印象も少し沸くような部分がないでもないような。

『マジシャン / 松岡圭祐』

マジックのトリックを使って詐欺を働く詐欺師と、それを見破る天才マジシャン少女。

『とりの眼ひとの眼 / とり・みき』

あちこちの媒体に書かれたとり・みきさんのエッセイを集めたエッセイ集。
…のはずなのに、とにかく始めから終わりまで、首尾一貫「原田知世」のことを語り続けてる!
時は80年代、映画『時をかける少女』、主演原田知世。
この「時かけ」と原田知世に関してを、あの手この手で語り尽くすだけにとどまらず、ご本人に接触するべく映画撮影現場にまで押し掛ける。
読後、とにかく「時かけ」が見たくなりました。

『放課後 / 東野圭吾』

1985年、乱歩賞受賞作。これが東野さんのデビュー作、でいいのかな。
舞台は女子校、それほど教師人生に打ち込んでいるわけでもない若い男性教師(主人公)、更衣室での密室殺人、体育祭で起こる第2の殺人。
学園という甘酸っぱい舞台の中に、密室やら時間差やらいろいろな細かい設定を絡めて、そしてキレイにまとめて…、でもやっぱりちょっと細かいかな、という印象でした。

『十角館の殺人 / 綾辻行人』

お友達に「持ってっていいよー」と頂き、アタシにとって初の綾辻行人著作。
面白い。
こういうのをいわゆるミステリっていうのかな。
無人島に建つ正十角形をした館に集まった、大学のミステリ研究会のメンバー。
これまでアタシが読んできた本が、「社会」とか「時代」とか壮大なスケールでいろんなものを絡めに絡めて書かれたものが多かったので、「交通の遮断された無人島」といった限定された中での話ってのが逆に新鮮。
こういう形だと、連続殺人で人がばたばたと死んでいっても不快感が沸かず、謎解きに専念できるのがいい。

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