座談会「鈴木翁二の世界」
左より、天野天街、知久寿焼、鈴木翁二、あがた森魚、山田勇男、水谷雄司
データ
- 第23回公演『マッチ一本ノ話』の東京公演時に催された座談会。
- 1998年12月5日、ザ・スズナリにて。
- 当日受け付け、1,000円。
- 約100分間に渡る座談会でした。
「マッチ一本ノ話」に寄せて
天野氏はわたしが言うところの〈幼生ことば〉を躊躇なく理解してくれる同種族のような印象を持ちました。理論的であるよりも、直感的有機的なあぶなかしいけど、時にはよくチョウヤクするコトバの所有者として。
つまり、ひたすら〈自分〉に向けて発語する〈マンガネーション〉のコトバを天野氏も持っていると思いました。
〈マッチ一本ノ話〉は私の代表作なのですが、たとえばあそこに張らせようとした、仮に言えば〈空気感〉のようなもの、コトバやクツオトがふるえて<旅>をしていく空気を肉体と肉声と立体はどのようにとらえて表現してくれるのか、大変たのしみです。マンガの斜線は舞台にどう張られるのか。
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内容
司会進行係: 水谷雄司(少年王者舘舞台美術)によるメンバー紹介でスタート。
(14:00開始予定のところ、知久氏の遅刻により20分押しで開始)
| 水谷雄司 | 「鈴木翁二さんの『口笛と奏手』を紹介したいと思います」 〜水谷氏による『口笛と奏手』の朗読〜 |
|---|---|
| 鈴木翁二 | 「『口笛と奏手』は1ヶ月かかって書いた。はじめはこの10倍くらいあった」 |
| 鈴木翁二 | 「『少年手帖』の豪華本が4,000円だったのですが、そのころボートレースが好きになっていて、毎日現金書き留めが来るのがうれしくて…」 |
| 水谷雄司 | 「天野くんの友だちでいまだに待ってる人がいるということですが」 |
| 天野天街 | 「それは『少年手帖』じゃなくて、『永遠の遠国』の方です」 |
| 水谷雄司 | 「それに関して、あがたさん、懺悔があればどうぞ」 |
| あがた森魚 | 「下世話な話ですが、なぜ競艇だったんですか?」 |
| 鈴木翁二 | 「ボートは6台しかないんですよ。で、枠があるから、3つの中から選べばいいんですよ。いちばん勝ちそうもないやつを消せば、2つの中で当てればいいんですよ。簡単そうでしょ。あと血統がないんです、ボートには」 |
| 水谷雄司 | 「どうぞ」 |
| 天野天街 | 「どうぞって…」 |
| 水谷雄司 | 「では、順番的に次は天野さんに『口笛と奏手』と天野演劇と絡めて、ちょっと語っていただきたいのですが、」 |
| 天野天街 | 「語ることはできないのですが、ボクの場合は「あること」と「ないこと」ということにしか興味はありません。なぜ「あってしまうのか」、なぜ「ないということがないのか」っていうことの方が面白い。で、あってしまった限り、「ある」ということは「アタシ」と置き換えてもいいのですが、『口笛と奏手』においては、「吹くもの」と「吹かれるもの」、それが一体化した「アタシ」としての、つまりコトバで言えない世界になってしまうんですがすべては。なぜ「吹かれるもの」「吹くもの」どっちか片一方しかないわけではない、つまり、「アタシ」がいて、なぜ「アナタ」がいるのか、「アナタ」と「アタシ」がなぜあるのか、ということに行きあたるのですが、とにかくこーゆー説明が下手なので芝居のようなことをやっているのです。何を言っているのか分かりません」 |
| 水谷雄司 | 「あがたさんは、どうなんでしょう? 口笛っていうのは。歌手として」 |
| 鈴木翁二 | 「いや、口笛っていうのはそんな関係ない…」 |
| あがた森魚 | 「今日は、こういうメンバーがここに揃っているということでもう何も話さなくていいんじゃないかという」 |
| 〜この後、「失敗家」ということについて延々と…。 | |
| 水谷雄司 | 「山田さんも鈴木翁二さんと付き合いが長いと思うのですが、どうでしょうか?」 |
| 山田勇男 | 「大の大人がこう、6人並んで、口笛だとか失敗だとかを、うつむきながら一生懸命ね、頭を悩ませていて、それをまたみなさんが聞いているって形もなんかすごいなと思って…」 |
| 水谷雄司 | 「では、まだ発言しておられない、本日の失敗家知久寿焼さん、夜尿について…」 |
| 知久寿焼 | 「夜尿ですか。夜尿はですね、はじめあったかいんですよ。でもそのまま寝てると冷たくなるんですよねー。夜尿に関してはそんなとこです」 |
| 水谷雄司 | 「客席にシバさんがおられるので、ぜひ舞台へ」 |
| シバ | 「これ、何時までやるの?」 |
| 水谷雄司 | 「いちおう、3時くらいを目安に…」 |
| 鈴木翁二 | 「いやね、ほんとはこれを話したい、あれを話したいっていろいろ考えてきたんですけどね、どうも、たぶんこの座談会が終われば、すごく面白いことがぽんぽん出てくるかも知れないんですが、いまは…ダメですね」 |
※サカイユウゴ註: すいません。ちょっと力尽きました。ここまでで全体の約半分です。約半分な上に、上の文章はボクが勝手に端折って編集したもので、座談会をそのまま起こしたものではありません。この後、漫画『マッチ一本ノ話』に絡めた鈴木翁二による独白や、あがた森魚による語りも続くのですが、それらについてはまたいずれ。
リンク
画像
司会: 水谷雄司
あがた森魚
三橋乙耶(シバ)登場
天野天街/知久寿焼
更新履歴
- 2000-10-02
- 2003-02-04: officek.jpへ移転。
- 2010-09-15: フォーマット整理。