こらない

2005-01-26(水)

腰痛神話と頭痛

『腰痛は<怒り>である / 長谷川淳史』を読み始めた。
面白い面白い。

内容は、現代の腰痛に対するネガティブな神話を解いていくもののようなので、ここで簡単にまとめて書いてしまうわけにはいかなさそう。

「レントゲン写真に異常はないんだから気のせいですよ」
「まあ、運動不足ですね」
「腰を引っ張って湿布でも貼っておけば大丈夫でしょう」
「骨盤のゆがみが原因ですね。矯正しましょう」
「二本足で立つ人類の宿命です」
「重いものを持ってはいけない」
「腰を反らせてはいけない」
「柔らかいマットレスで寝てはいけない」
「あぐらをかいてはいけない」
「ハイヒールをはいてはいけない」

こういう神話の呪縛をひとつひとつ解いていくのが面白い。

もうひとつ面白いのが、やはり頭痛との関連。
本書(の今まで読んだところまで)の中では、腰痛の話だけで特に「頭痛もそうだ」と書いてあるわけではない。
けど、そのほとんどの部分で「腰痛」を「頭痛」に置き換えても意味が通じる。

「どんなに辛くても腰痛で死ぬ人はいない」
「結局のところ原因が不明」

ひとつめのは、腰痛でも頭痛でも「ちゃんとした原因のある重篤な症状」である場合があるから、まず西洋医学な病院でちゃんと検査してもらうことは必須。
で、別にこれといった原因がない場合、死ぬほどの痛みを伴おうとも、死ぬことはない。
これは想像だけど、医学の「専門」にはきっとランクがあって、「生死に関わるわけじゃないもの」に関してはきっと低いと思う。

ふたつめの「原因が不明」は、「原因がいっぱい」と同義。
頭痛患者は目医者に行けば「視力が悪いから(眼鏡の度が合ってないから)頭痛になる」と言われ、カイロプラクティックに行けば「骨のゆがみ」と言われ、歯医者に行けば「噛み合わせの問題」と言われ、西洋医学ではレントゲンCTスキャンMRIののち「異常はありません」もしくは「ストレスです」と言われる(言われた)。
どうやら腰痛も似たようなものらしい。
上記に加えて、「○○式」やら「○○療法」やらが盛りだくさん。

もちろんこの本だってその中のひとつだけど、「本を読むだけで、数十年悩まされてきた腰痛が治った」なんて言うんだから、これはちょっとやっぱり面白い。

これは本に書いてあるんじゃなくてアタシの考えだけど、腰痛、頭痛に加えて「結局のところ原因のよく分からない病気や症状(=数々の療法が跋扈しているもの)で現代に入って急激にその症状を訴える人が爆発的に増えてるもの」は全部同じ根っこなんじゃないかと思っている。
ぱっと思いつくのは、うつ系の症状とアトピー。
これまで、それらの原因を説明するものの中で、いちばん納得しやすいのは「食べ物」だった。
その後アタシはこの「食べ物」説を捨てるのだけど、その話はまた。

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