こらない

2005-06-13 (月)

『リヴィエラを撃て / 高村薫』

『リヴィエラを撃て(上) / 高村薫』『リヴィエラを撃て(下) / 高村薫』読了。

お友達に「ユウゴさん、『マークスの山 / 高村薫』を読んでみてください」と言われて読んでみて、面白かったけどそれほどのめり込めたわけでもなかった、といったような感想を書いた。
続けてもうひとつ、高村薫作品を読んでみようと思い、たまたま手にしたこの『リヴィエラを撃て』の上下巻。

『マークス』を読んだときよりはすごかった。
思ったのは、例えば読む順番が『マークス』と『リヴィエラ』で逆だったとしても、同じだったんじゃないかな、ということ。
つまり、最初に読んだ方では「そこそこ」と思い、次に読んだ方で「すごい」と思うんじゃないかと思う。
ということは、「あーゆーのを書いて、こーゆーのも書くのか!」という部分に反応してるのかな。

CIA、MI5、MI6、そしてIRAが絡む各国が舞台の諜報話で、ストーリーは壮大で緻密な印象。
そういう意味で「すごい」という感想なのだけど、やっぱりどうもアタシの肌には合わないかなあ。
人間も描かれているし、死がおろそかにされているとは思わないのだけど、なんだろうなあ、こういう方向の壮大さに、アタシがあまり興味がないってことかな。
政治の話や、時代に翻弄される人々、のその中心の人々、というのに入り込めなかったり、素直に手に汗を握れないのかも。

最初に書いたように「面白かったけど」なわけで、面白くないわけじゃないし、上下巻を通しで一気に読んでしまうだけのワクワクはある。
例えばこれに星1つから星5つで評価してくださいなんて言われたら、困るだろうなあ。

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