こらない

2005-07-14 (木)

『亡国のイージス / 福井晴敏』読了

『亡国のイージス(上) / 福井晴敏』『亡国のイージス(下) / 福井晴敏』読了。

たまに言い訳がましく書いているのだけど、アタシが小説というものを読むようになったのはここ数年。
それまで、というかその後もあまり小説の情報が脳に入ってこないので、どれが有名でどれがよく売れていて、どの作家が人気で、といった感覚が全然ない。
本以外では、「世間で騒がれているもの」と自分が気に入るものの間には乖離があるのだけど、本に関しては「よく名前を耳をする作品は面白い」ってことにしている。
そうじゃないかも知れないけど、とりあえず。

そんな調子で、この『亡国のイージス』は、よくタイトルを耳にする気がして読んでみた。
きっとろじさんのところで目にしたのだろう、と思っていたら、ちょうど同じタイミングでろじさんもこの本を読み始めていて、つまりアタシの記憶違いだったみたい。
よく耳にしたというのは、この作品が映画化されたからですねきっと。

日本の自衛隊の護衛艦を舞台にした物語。
冒頭で、この護衛艦に乗り合わせることになる何人かの登場人物の生い立ちが書かれるのだけど、その時点ですでに人物がこんがらがってしまった…。
いや、そのうちちゃんと区別できるようになったのだけど。

アマノジャクなアタシのことだから、自衛隊が抱える問題やら矛盾、ってところだけになってしまうと啓蒙されているみたいでいやだし、人間関係だけを描かれると先に挙げた問題や矛盾をおざなりにしてるみたいで物足りない。
この本では、どちらに傾くこともなく、どれもこれもおざなりにすることなく、ものすごい密度で物語が織りなされていて、すごく面白かったです。

ろじさんの読後のテキストによると、先に書かれた『Twelve Y.O.』を読んでいた方が楽しめる部分があるらしい。
そちらは未読。
でも、読んでみよう。
『終戦のローレライ』も同じ著者らしい。
あと、最近テレビCMで見かける映画『戦国自衛隊1549』もそうらしい。
そうだったのか。

  • 『Twelve Y. O.』(1998年)
  • 『亡国のイージス』(1999年)
  • 『終戦のローレライ』(2002年)
  • 『戦国自衛隊1549』(2005年)

という順番になるみたい。
他の作品も読んでみよっと。

追記

映画では配役はどうなっていたのだろう? と思って検索してみたら、まだ公開されてないことを知りました。
というか、まもなく公開なのですね。
それはいいのですが、映画紹介のページで「映画『亡国のイージス』ストーリー」として、「護衛艦に乗り合わせたAとB。Aが××した時にはBは既に命を奪われ、そんな中Cが反旗を翻す」みたいに「最後の決戦」以外の全てのストーリーがバラされていてびっくり。
映画ってのは、監督の力とかセットとかCGとか役者の演技を見るもので、物語はおまけってことになっちゃってるんだろか。

テレビを見てる時に、映画のCMや映画紹介のミニコーナーが始まると0.5秒以内にチャンネルを変えるか音を消すようにしているのだけど、この自己防衛は当分続けなくちゃいけなさそう。

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