こらない

2005-07-27 (水)

本『海辺のカフカ / 村上春樹』

『海辺のカフカ(上) / 村上春樹』読了。
いつの間にか文庫で出ていたので購入。
上下巻の、まずは上巻を読み終わった。

15歳の誕生日を機に家出をする主人公の少年。
…ってことで話がスタートし、多かれ少なかれ、その家出少年が何かしらを経験し、1歩(か2歩か分からないけど)成長するんだな、と思い、あまり「読み進みモチベーション」が上がらなさそう、と思った。
事実少年は家出をし、ひとりバスに乗って遠方を目指す。

ところが、読み進むうちに「猫と話すことのできる頭の足りない初老の男性」が登場。
ここから俄然引き込まれてしまった。
この人のキャラクターが抜群によくて、頭の中でぼんやりと、この人の真似ばっかりしてる。

話は、その家出少年とこの初老の男性の話が交互に出てきていて、できれば初老の男性の話ばかりを読みたい、と思ったりする。
その思いに引っ張られて、上巻を読み終わったのだけど、下巻では当然その2つの話がどこかで交差するはずで、それはもちろん楽しみなのだけど、この愛嬌のある初老の男性が、愛嬌たっぷりに描かれているだけに、何かこう、厳しい現実が待ち受けているんじゃないかと思って、はらはらする。

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