こらない

2005-10-20(木)

2005-10-19: シベリア少女鉄道vol.14「スラムダンク」

シベリア少女鉄道vol.14「スラムダンク」@新宿シアターサンモールにイッテキマシタ(2005-10-19)。

前々回「アパートの窓割ります〜死ぬまでにしたい12個目のこと」での“シベ少ファンに肩すかしを食らわす”のその食らわし方に納得がいかず、それが尾を引いて前回の「笑顔の行方」を見逃し、そして今回。
当日券で滑り込んでみました。
すごーい! すごーい!
やっぱりシベ少、面白ーい!

以下、まるっきり完全にネタバレで。

チラシにあった「選びづらい自由席」。
ひな壇な客席が向かい合わせの状態。
その中央が舞台。
役者さんが2〜3人ずつ現れて、いくつかのエピソード。
首相官邸? テロ組織? 原発? アイドルイベント? どこかのバー?
いくつか、と思ってたら、やたらめったらたくさんのエピソードが続き、役者さんはひとり2役3役4役5役…。
出てはひっこんで、出てはひっこんで、役が変わるたびにそれぞれの衣装にコスプレて、ついでに声や話し方もそれと分かるように大げさに区別。

後半、それぞれ別々だったエピソードが少しずつ関連を見せ始める。
ストーリーのテンポが増し、だんだん着替えが追いつかなくなる役者さんたち。
「よ…用もないのに、呼ばないでくれる?」
破綻の色が見え隠れ。
おお! 今回はこれか!

複数のエピソードがひとつの舞台に揃い始めるものの、ひとり何役もこなしているため、物理的に「同時に舞台に立つこと」ができない役者。
仕方なく着替えもあきらめ、声色だけで演じ分け始める。
チラシにあった「やけに陳腐な言い回しになってしまって気恥ずかしいのですが、『見えないはずの物が見えてくる』ようであれば幸いです」というのはこれ(衣装や小道具)かー。

と思ったら。

ピピーという音とともに、それぞれの衣装を脱ぐ役者さんたち。
ん? 2色(2チーム)に色分けされた試合ユニフォーム?
と思っていると、舞台の上下(かみしも)(どっちが上手?)の高い位置にバスケットゴールが!
ああ、そうだった! 今回の芝居のタイトルは「スラムダンク」だった!

さいほどまで続いていたエピソードの続きをきっちり演じながら(つまりひとり何役も演じ分けながら)、“見えない”バスケットボールをパスし、ドリブルし、ゴールを狙う役者陣。
『見えないはずの物』はこっちだったか!
さっきまでの「そでに戻らずそのままステージ上で何役も演じ分ける」は、これを成立させるためのただの準備だったとは!

パスする仕草やドリブルも、エピソードから乖離することはない。
パソコンのキーを打つマイムがドリブルとなり、SEでドリブル音が重なる。
「あっちいけ」と高い位置で手をふって、敵のゴールシュートを防御。

かき立てるようなBGMと、ボールが飛んだり跳ねたりするSEと、その慌ただしさにより、軸となっていたストーリーはもうさっぱり訳が分からない!

ストーリーの方は分からなくなったけど、ゲームの方は10点以上に差が開いてる。
コートチェンジの時間を利用して作戦を組み立て直し、ゲーム後半戦で1点差にまでつめよる敵チーム!
ゲームの勝敗は?!
そして元のエピソードの結末は?!

…と思ってところで、聴き知ったJ-POPが流れ始め、曲に合わせて踊りだす全出演者。
まるまる1曲踊って、そのまま幕!
わー!
なんというおバカっぷり!

シベリア少女鉄道、健在! ってことで、ニコニコして会場をあとにしました。
次回公演は「タイトル未定 2006年3月上旬、たしか新宿とかで!」とのこと。

あと、2006年2月の野鳩第9回公演「僕のハートを傷つけないで!」のチラシに「そろそろ観てもいいんじゃないですか…」と書いてあったので、そろそろ観てみたいと思います。
同時期に始まるケラさん作・演出で音楽が伊藤ヨタロウさんでキャストに堤真一、小泉今日子、松尾スズキといった名前の並ぶ「労働者M」のS席は、9,000円ですって。

というか、11月後半には作・音楽:ケラリーノ・サンドロヴィッチ、演出:天野天街、美術:水谷雄司、照明:小木曽千倉、映像:浜嶋将裕、振付:夕沈、な流山児★事務所公演『SMOKE』の公演が待ち受けております。

コメント