こらない

2006-07-20 (木)

2006-07-15: 少年王者舘『I KILL—イキル—』

ikill.jpg少年王者舘『I KILL—イキル—』@七ツ寺共同スタジオにイッテキマシタ(2006-07-15)。

数年ぶりの少年王者舘新作本公演『I KILL—イキル—』。
この日の公演は「公開リハーサル」で、幕が開いて2日目(リハーサルだから幕は開いてないのか)。

まだ全部はできていない、というのは承知の上での観劇。
久しぶりに登場の「中略」の文字。

しかーし。

出来てるところの濃度がすごい。
1分のシーンを作るのに1時間かかるってのもうなずける話だなあ。
いや、実際のところ、「きっかけ」が0.1秒単位で連続して発生しているように見える王者舘の芝居の1分っていうのは、他でいう1時間にあたるのかも知れない。

メタな作り、例えば小説なんかで地の文と会話文が互いにコミュニケートを始めちゃうとかってのはやっぱり面白い。
そこんとこをどーんと中心にすえて見せてるのがシベリア少女鉄道。

天野さんの芝居の場合は、メタっぷりがもっと細かい形で食い込んでいて、「それを証明できますか?」と言ってるかと思ったら、証明ではなく「照明」だったりとか。
あるいは照明だと思っていたら、また物語に戻って、「塩梅(しおうめ)」になってたり(さらにその先に「死を埋め」な暗示があったり)。
あるいは、役者が客席を見渡して、「顔がいっぱい並んでる。みんなこっちを見てやがる」って言ったり、時間が開演前に戻ったり。
ん? こういうのってメタって言わないかな。
とにかく、芝居の「おやくそく」の無視。

そこんとこが、今回の芝居に至っては、すっかりナチュラルにとけ込んでしまっていて、1つ1つを取り出すことも難しい状態になっているように感じました。
「芝居の中のお話」と、「大須七ツ寺共同スタジオという小さな芝居小屋で、OMS譲りの長ザブトンに座って、19:30開演の芝居を見ている」って状況が、等価に混ざり合ってしまっているような。

舞台セットがこれまた、想像力を膨らませるもの。
これがどうなるんだろう、どう使われるんだろう、と。
たぶんアタシがこの日見た「公開リハーサル」では、まだその全貌を見せてないはずで、そのあたりも期待大。

役者さんのことについて触れるのは苦手なのだけど(個々に言及するのは無理なので)、水谷ノブさんの怪物っぷりに拍車がかかっていてドキリ。

とにかく、期待大と。
アタシも安心して、友人知人に、そしてウェブで煽り倒すことができるなーと、ひと安心。

名古屋公演は、今度の日曜日(7月23日)の昼が最後。
大阪は8月1〜6日。
東京は8月16〜20日。
それぞれの詳細は、少年王者舘公式: I KILLへ。

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