こらない

2009-08-05(水)

少年王者舘稽古場潜入レポート「1日少年王者舘!!」完結

現在公演中の少年王者舘「夢+夜」に合わせてヨーロッパ企画にて開催されている「少年王者舘がやってくる! キャンペーン」の1つ、少年王者舘稽古場潜入レポート「1日少年王者舘!!」の全4回分がアップ完了していました。
〜山脇唯の稽古場体験記〜「一日少年王者舘!!」

他の劇団のことも、「普通の劇団」のことも知らないのだけど、この潜入レポートを読む限り、やはり少年王者舘はかなり特殊っぽい。

第1回更新分では、Perfumeの話題が。

小林:Perfumeさ、早回しにしたら、「はや踊り」になるよね?
白鴎:あのひとたちは、すごいよ!
夕沈:すごいと思う、あの踊り。
小林:あの表情からして「きたきた、王者舘」と思うよ。
白鴎:(笑)。

いやー、しかしこのレポート読んで改めて思うけど、少年王者舘も説明のしにくい劇団だ。

井村:まあよく「チラシとか見てもストーリーとか何も書いてないし、これ何ですか?」ってよく言われるんだけど、「演劇って、ストーリーがあって、喜怒哀楽があって」っていう既成概念には、あまりはまりきらない。それでも演劇のジャンルは、ジャンルだし。僕らは他に、たとえば絵とか音楽とか聞いたり見たりしてるときは、別にストーリーを追ってなくても、じゅうぶん楽しいじゃないですか。

少年王者舘の芝居って芝居じゃないんだよ、みたいなことを言いそうになる、のだけど。
じゃあパフォーマンスとか、なにか前衛的な形態なのかというと全くそうではなく、そういう意味では形式は芝居以外の何者でもない。
ものすごく「お芝居」。

公演後のブログ等での感想を見ると、「王者舘はストーリーを追うのではなく、イメージを感じればいいのだ」みたいなことが書いてあることが多いけど、じゃあなんだか抽象的なよく分からない芝居が続くのかというとそうではなくって、ちゃんと追うことが可能がお話がある。
別に難しくもないし、くっだらない台詞の掛け合いが延々続いたりもする。
でも、じゃあどんなお話だったかと問われても答えにくい。
「そんなややこしいお話なの?」
「いや、そういうわけではなくて…」
「分かった、こう、コンセプチュアルな感じなんだ?」
「コンセプチュアル? うーん、コンセプチュアルねえ…」

結局、「言葉で説明できないから、こういう形(演劇)で現してる」ってところに行き着いちゃう。
言葉で説明できるなら、わざわざ舞台作って稽古して汗を流す必要ないじゃん、ってことに。

で、アタシは勝手に、パスカルズと似てるなあ、とか思って。
そしたら、第4回の更新にて、

夕沈:みんなが音楽というか、楽器のひとつで、練習を重ねていくとそれがうまく自然に、オーケストラみたいになっていくっていうか。音楽みたいな、リズムというか。その感じが・・・ダンスもそうなんですけど、「みんなが楽器」みたいな感じがして。それが合わさったときに、すごく楽しいな、と思います。

白鴎:最終的に1個のものになって「違うものなんだけど、いつもの音楽」のようなものが出てくる。まとまっていく、というか。
小林:大勢でやってるのに、できないとバレるんだよね、だから(笑)。「なんかヘンな音がしたぞ、今!」って。

パスカルズのメンバが「自分の音より、他の人の音を聞くってことの比重の方が大きい」みたいなことを云っているのを聞いたことがあって、あ、似てるな、と。
上手とか下手とかってことではなく、その時のその「空気」とか「世界」とか、なんかそういう。

そうそう、結局、少年王者舘もパスカルズも、その他アタシのお気に入りのさまざまに人たちも、なにかしらの「世界」を表出していて、それがどういう「世界」なのかっていうと、それはその観てもらった、聴いてもらったソレがそれなわけで、そしてそれを言葉で説明しようとすると、説明すればするほどズレていくという。

そんな少年王者舘の「夢+夜」は、名古屋公演を終え、さらにボリュームアップした形で明日から京都公演開始(日曜日まで)。
それが終わると、いよいよ東京公演(8/19〜8/25於: 下北沢ザ・スズナリ)。
少年王者舘公式

flickr=3712480938

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