こらない

2004-11-15 (月)

シベリア少女鉄道『VR』

シベリア少女鉄道の新作『VR』。
演劇としての完成度みたいなものが格段に上がっていてびっくり。
海外ドラマの吹き替えを真似た、おかしな台詞まわしに初っ端から大笑い。
「仕掛け」じゃないところでこんなにおかしいなんて卑怯だ、とまで思った。
舞台セットも凝っていて、ステージの半分が稼働して右へ左へ動くだけでシーンが変わるのが、すごく良かった。
「仕掛け」が始まって、そりゃもうおかしいんだけど、ただおかしいだけじゃなくて、なんかだんだん変な気分になってきて、なんかその「ただおかしいだけじゃなくって」なんてところまで行っちゃってるのが、もうなんかうれしくて。
ちょっと、少年王者舘の無限ループを思い出した。
ずーーーっとアホなことが続いてると、普段到達したことのないような変な気分になってくる、ってあたりが。

確か、前回シベ少を見たあとに「もっと毒が欲しい」と書いた。
毒っていうのは、毒舌の毒ではなく、「悪」の部分。
いや、お話としての「悪」ではなくて、主宰土屋さんの「悪」の部分。
スタッフにそこまで強いるのか!とか、役者にそこまでやらせるのか!とか、あと当然「自分にそこまで科すのか」とか、そういうところ。
そういう、見ていて涙を通り越して吐き気がしてくるような緻密さも今回こんもりともられていて、あっぱれ。

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