こらない

2005-04-05 (火)

本『「超」整理法(1) / 野口悠紀雄』

『「超」整理法(1) / 野口悠紀雄』を途中まで読んだ。
1993年に中公新書として刊行されたものを、大幅な改訂をほどこして2003年に中公文庫から出てもの。
これもきっと相当なベストセラーだったものですよねきっと。
なぜか過去のベストセラーを続けて読んでる(というのも古本屋のそういうコーナーで安く出ていたのをごそっと買ってきたから)。

さて、アタシは整理整頓のプロだ。
うそだ。
うそだけど、整理術に関しては自分で構築したいと考えるタイプ。
実は過去にいくつかの「システム」を構築しようとして失敗している。
無印良品で同じものを大量に買ったことも2度ある。
だから、この本の存在を知りつつも、絶対に読まないようにしてきた。
おそらくこの本には、真似したくなる「術」が載っている。
けど、真似したくないのだ。
そのあたりに変なプライドがあるのだ。

話はズレるけど、blocをスタートされる時も、似たサービスを見てしまわないように注意していた。
似たサービスですごくいいアイデアを知ってしまい「それしかない」と思った場合、真似せざるを得なくなる。
真似して作るほどつまんないことはない。

閑話休題。
そのあたりの意地もだいぶ和らぎ、セコハン本屋で出会ってしまったので購入。
やはり面白い。
いや、そんなに面白くないんだけど、あちこちに「なるほど」が転がっている。

実はアタシもこの『「超」整理術』で広まったと思われる「押し出しファイリング」の実施者。
今となっては、これを自分で考えついたのか、はたまた「超」整理術ブームの時にテレビや知人から仕入れたのか、定かではない。

アタシがやっているのは以下な感じ。

  1. 角形2号(240mm×332mm)サイズの封筒(A4サイズの紙が入る)を大量に用意。
  2. 生活/仕事で発生した紙類を、この封筒に入れ、タイトルを書いて棚へ。
  3. 以後、次々に発生する紙類を、棚の左端へ。
  4. 棚の過去封筒から何かを参照したり何かを追加するために棚から引き出した場合、戻す時は左端へ。
  5. 以後、繰り返し。

これによって、ずーっと使われなかった書類(封筒)が、右端へ溜まっていく。
棚に入りきらなくなったり、どうにかしたくなったら、右端から要らないものがないか見ていく。

今回ちゃんと本を読んで「そうだったのか! なるほど!」と思ったのは、まずアタシの場合カテゴリが大き過ぎた。
例えば「少年王者舘」の封筒に次々に放り込んでいたのだけど、ほんとは「マッチ一本ノ話」とか「それいゆ」(ともに公演名)の封筒にしてしまった方がいい。
封筒だってタダじゃないものだから、封筒の中に紙が1枚だけになるほど細かくするのは気がひけるので、「それなりにまとめた封筒」で運用していたのだけど、それなりにまとめない方がうまくいきそうだ。
それは最近うすうす感じていた。

「まとめる」というのは「カテゴリを作る」ということで、「カテゴリを作るな」という超整理法の精神に反する。
カテゴリを作るな、というのは、もうほんとにそうだ。
そうかそうか、そういうことだったか。

もうひとつもカテゴリの話で、パソコンや家電製品の説明書、保証書、あるいは銀行関係、賃貸契約書、クレジットカードとかプロバイダとかそういったものの契約時の書類といった「大事そうな紙類」は、別の箱に入れていた。
これが間違いで、実は全部混ぜてしまった方がうまく機能する、と本に書いてある。
そうだ、そうなんだよ、と目から鱗(うろこ)。

この本を読んでなくても、この「封筒式押し出し収納」を知っている人は多く、取り入れている人も多い。
けど、その「取り入れている」という中途半端さが危険で、たぶん皆アタシのように大分類カテゴリ分けをしてしまうのだ。
つまり「仕事」と「プライベート」に。

著者はこれを否定する。
否定というか、結局のところ「ぜんぶ一緒」にした方が効率が良かったと書いてある。
その効能のひとつが、「書類はすべてココ」というのが定まるから。
「あっちかも知れない、いやこっちだったか?」というのがなくなる。
「ココ」にないならもう家の中には絶対にない、ということがはっきりする。
ということは学校か職場かスタジオか車に忘れたとしか考えられない、とはっきりする。
はっきりしてさっぱりする、らしい。
アタシもそう思う。

そういうわけで、契約書も、取っておくレシートも、芝居のチラシも、雑誌の切り抜きも、旅行へ行った時に使った地図も、医療費の控えも、パスポート本体も、とにかく全部封筒に入れて「左側に立てていく」のは、ものすごく便利なのかも知れない。

さて、この「封筒式押し出し書類整理法」、ひとつ大きな欠陥(性質)がある。
これ、個人用なのだ。
家庭内で使えないのだ。

このシステムは、『「そいえば最近パスポートの番号を調べたな」という記憶は実は驚くほどしっかり覚えている』という脳の性質に頼っている。
だから、棚の封筒群の左の方をパラパラと見ればすぐに見つかる。
けど、最近パスポートの番号を調べたのが別の人(同居人)だった場合、もうアタシには分からない。

これについては、我が家ではとりあえず、カラーラベルで対応してみる予定。

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