こらない

2005-04-05(火)

本『話を聞かない男、地図が読めない女』つづき

『話を聞かない男、地図が読めない女』をやや前に読了。
2000年頃のベストセラー。
以前少し書いたのは、こらない:本『話を聞かない男、地図が読めない女』へ。

話題になっていた頃に、きっと多くの人が「すべての既婚者は今すぐに読むべき!」とか言ってたんじゃないかと想像するのだけど、確かにそんなことを思ったりしちゃうくらい面白かった。

前半、とにかく延々と「男の脳と女の脳は違うんだ」という事例と統計データが出てくる。
感化しやすいアタシは、「あるある」「そうそう」の連続。
例えば「男性は、道に迷っても人に道を尋ねられない」とか。
この本を読んだ後でも、やっぱり訊けない。

あと、読んだ時は「そうかなあ?」と思ったけど、その後「そうかも知れない」と思ったのが、「男は冷蔵庫の中のバターを見つけられない」というもの。
「ものが見つけられない」というのは男脳としては認めたくないことのひとつなのだけど、この本を読んだあと謙虚に自分を見つめてみたところ、冷蔵庫の中からバターやらその他調味料やらを見つけるのが下手だということが発覚。
本には「男性は『バター』という文字を探す」と書いてあったのだけど、そうかも知れないなあ。

前半部分に関しては、どちらかというと女性読者が「この本を男性に読んで欲しい」と思う事柄が多いんじゃなかろか。
「私(女)は地図が読めないのよ!」という理解を求めるものと、「どうしてあなた(男)は話を聞かないの?(聞いてちょうだい)」という要望が多いから(逆ももちろん載っているのだけど)。
しかし、後半は現代社会に生きる女性には、ちょっと面白くない内容かも知れない。

後半は、性やセックスやエロの話。
そこではやはり「男はセックスのことばかり考えている」という話が出てくる。
これはある種の女性にとっては、最後まで認められないんじゃないだろか。
百歩譲って「セックスのことばかり考えている」を認めたとしても、これが「すべての男は機会があれば浮気をする」というのは、ある種の女性にとってはどうしても絶対に何が何でも認められないと思う。
いや、ある種の女性だけの話じゃなく、それに従ってみている男性にとっても認めたくない事柄かも知れない。
「俺は浮気はしない」と。

「って、こらないに書いてあるけど、そうなの?」

なんて、くれぐれも訊かないように。

「うーん、そうかも知れないね」
「じゃあ、○○君もそうなの?」
「そういう部分もあるかもねえ」
「浮気する可能性があるってこと?」
「絶対にバレないっていう条件が揃えば、みんなするんじゃない?」
「なにそれ! どういうこと! 浮気するかも知れないってこと!?」
「お、俺じゃないって、世の男性にはそういう人が多いんじゃないかってことだってば!」
「さっき、『そういう部分もあるかも』って言ったじゃん!」
「お前が訊いたから答えたんだろ! 架空の話で責めるなよ!」

で、この本では、特に上記の浮気といった話に限らず、現在の社会では男と女の関係が以前とは違ってきていることに関して、まだまだスタイルが定まっていないので、それぞれが作っていかなくてはいけない、といった風に話を進めていく。

以前、こらない:ETV特集「あなたの日本語磨いてますか」で書いた

病院において、若い女性看護士が中高年の男性に対して使う言葉というのがまだ生まれていない、といった話(子どもをあやすような言葉遣いになってしまう。けど代替がない)。

といったような話。
答えは特に提示されていなくて、つまりそれを考えるヒントとしてこの本がある、ということだろう。

男女の体の性差、そしてこの本に書かれた脳の差を認めた上で、どこまで理性で譲歩し、どこまで本能(のようなもの?)に従うのか。
現代社会ってのは、いろんなことを全部自分で決めなくちゃいけないからたいへんだねえ。

コメント