こらない

2008-10-30(木)

『暗号解読 / サイモン・シン』読了

『暗号解読 / サイモン・シン』を読了。
同著者の前作『フェルマーの最終定理』が面白かったので、この『暗号解読』も読むのが楽しみだった。
上下巻。

『フェルマーの最終定理』も『暗号解読』も、それ自身を解説した本ではなく、それにまつわるドラマを描いた本。
と、とりあえず紹介するけど、実際にはちゃんとそれぞれの内容も解説していて、そしてそれが平易で分かりやすい。
どちらの内容も、式や図で表した方が断然分かりやすくて間違いがないと思うのだけど、それをきちんと地の文で解説していて、でもそんなことをしたらものすごくまどろっこしくて、結局何を言ってるのか分からない(だったら図に描いて説明してくれ!と言いたくなる)文になりがちなところを、すごくきれいにまとめてあって感嘆。
翻訳も秀逸なんだろうなあ。

アルファベットのAを、ひとつずらしてBを記して、BはCと書いて…とするだけで、ひとまず暗号になる。
1つずらすんじゃなくて、3つにしたり7つにしたり。
それでスペースやピリオドを無くしてしまえば、それだけでアタシにはもう立派に「難しい暗号」な気がする。
これを「解読」するところから話はスタート。

上記のやり方には欠点があり、だから解読が可能なのだけど、次にはその欠点を無くした新しい暗号が登場。
そしてそれも破られる。
といった話が、歴史に沿って語られていく。

3つ目4つ目あたり(の暗号方法)になると、「(コンピュータのない時代の場合)もう解読は無理でしょう?」と思う。
けど、破られる。
わくわくする。

途中、(これは暗号ではないけど)古文書の解読の話も。
そして最後は、量子コンピュータの世界へ。
量子物理学の世界って、どうやって書かれたものを読んでもさっぱり分からないのだけど、「なるほど、こういう具合に“分からない世界”なのだなー」ということが分かった。
そして、知人に「じゃあその量子物理学ってのはどういうものなのかを説明してくれ」と言われて、この本にあるような形で説明したら、その知人は怒りだすだろうなー、とも・笑。

さて。

最近「伊坂幸太郎」という名前をよく耳にしたので、次はその人のデビュー作だという『オーデュボンの祈り』を読むことに。
まだ50ページくらいのところなのだけど、「ユーゴ」なる登場人物(登場人物?)が出てきてびっくりした。

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