こらない

2009-06-07(日)

御蔵島でイルカと泳いできた、つづき

こらない - 御蔵島でイルカと泳いできたのつづき。

無事イルカに出会うことのできた1日目午前を終え、宿に戻り昼食。
昼食のあとは、すかさず仮眠。
さらに酷くなる雨。

さて、午後、どうするか。
雨は酷いし、濡れた水着やウェットスーツを着るのも冷たいし、めちゃくちゃ眠いし。
だんだんと、「午後はやめましょうか」の空気に。

けど。
これまで、ライブや芝居へ足を運ぶ際にも同様の葛藤を何度も経験している身からすると、そうやって行かなかったイベントほど後で悔しい思いをするもの。
「行かない後悔より、行った後悔の方がマシ」が信条のアタシは、やはり行くことに。
結果、この選択は正解だったのでした。

というわけで、「このまま寝るー」というひとりを残して、午後は同級生とふたりで再度海へ。
そして同じイルカポイントへ。

イルカポイントは他にもいくつかあるらしいのだけど、この日の天候の関係で、島のこっち側は大丈夫だけど、あっち側は波が高くてNGとのこと。
凪ぎなら、島をぐるりと一周できるらしい。

イルカポイントに到着すると、おおー! またいた!
なんか、午前より元気じゃない?
わ、跳ねた!
飛んだ!

すかさず自分たちも水中へ。
あー、いるいる。
わー、寄ってきた?!
きゃあ、イルカとにらめっこ状態!
アタシの周り、くるくるまわってる!
な、な、きゃー。

あ、また来た。
うわっ、近い!
触れるくらいの距離。
でも、触っちゃだめ(そういうルール)。
抱えれそう。

なにこれ。
そういうことか。

いや、午前の体験から、つまり、「回遊しているイルカを水中から見ることができますよ」というものかとばかり。
こんな風に遊んでもらえるのね、イルカに。

ちなみに、この日がスノーケリング初めてのアタシは、水面を漂ったり、フィンで進んだりすることしかできない。
つまり、潜れない。
同級生は、ぐんぐん潜って、さらにイルカとお近づきになって、なんかもう本人もイルカみたいになって遊んでる。
きー、くやしい。

と思って、真似しようと思ったのだけど、技術面ではなく、体力的に限界。
そもそも海に入るのも10数年ぶりだし、泳ぐのもかなり久しぶり。
徹夜明けで午前午後と海に入って、すでに体力ゲージがゼロになってる…。
ああ。

というわけで、結局潜れはしなかったけど、間近にイルカを体験して、午後の部終了。
ああもう、感動。
ちなみに、1回2時間くらい。

ああそうそう、書き忘れてたけど、イルカ、頻繁にキュイキュイと発してる。
それで、近くに来たことが分かる。
水の中にいると、すっごい聞こえる。
けど、空気中と違って、方向があんましよく分かんない。

さて、再び宿に戻り、またしばし仮眠して、宿のお母さんお手製の夕飯。

flickr=3603534784

疲れてることも手伝ってか、どれもこれも美味しいこと。
宿のお父さんによる自家栽培のじゃがいもやらナスならがまた美味くて。
あと、明日葉ね。
物資の乏しい島での定番の、成長の早い野菜。

夕飯後は、宿のお父さんから、木の話をあれこれ聞く。
御蔵島には、樹齢500年だの1000年だのの木が結構あるらしい。
桑とかツゲとかも豊富だとか。
そうかー、山にも入ってみたいなー。
本土にはそういう木はすでにほとんどないはず。
戦後、材木利権で、伐りまくったから。
そのあたりの話は以前、以下に書きました。
南方熊楠と神社合祀令 - こらない

翌朝、雨に加えてさらに風も出てきた。
でも、もうこうなったら行くしかない、ということで、また朝8時半から海へ。
今度は、その日の朝に到着した、他の宿泊客の方々と一緒。
合計6人で。

そいえば、ボートで海に出る際には、酔い止めを飲んでない。
忘れてた。
でもアタシは全然平気でした。

けど、この時にご一緒した女性は、早々にダウン。
雨も降ってるし風はあるしで、ぶるぶる震えて、かわいそう。

この2日目の午前も、やはり前日の午前同様、イルカは元気がない。
元気がないんじゃなくて、つまり、眠そう。
眠ってるのね、きっと。

ただ、この回は、すごく大きい群れにいくつか遭遇。
次から次へとイルカがやってきて、壮観でした。
あと、1日寝て体力も回復したので、素潜りもできるように。
入水したポイントは、どこもだいたい水深5〜6mくらいかな。
鼻つまんで耳抜きしつつ、海底まで。
ダイビング関係のいろいろな資格を持ってる同級生に「ユウゴくん、もう97点だね」と。
おお、そうすか。
そんなわけで、イルカは眠そうだったけど、小魚の群れとか、海ガメとか、いろんな魚とかに身近で会えました。
ひゃっほい。

さて、この日は帰還日。
けど、この天候、帰りの東京港行きの船が着岸できるかどうか、かなり微妙とのこと。
着岸できない場合は、帰れない。
そして、それは別に珍しいことではないらしい。

そういうわけなので、アタシたちの日程は1日余裕をみてあって、この日に帰れなくても大丈夫。
そして、この日の夕方くらいから、天気は回復の予報。
うーむ。
つまり、予定通り東京に帰れれば(御蔵島も住所的には東京だけど)、それはそれでラッキーだし、帰れなくて延泊になっても、晴れの御蔵島を体験できて、それはそれでラッキー。

宿近くの洒落たカフェで昼食を摂っていると、島内放送が鳴り響き。
曰く「天候の関係で、船が予定より30分早く到着します。すぐに用意して港へお急ぎください」と。
なぬー。

flickr=3603535552
ふくまる商店でカルボナーラスパゲティ

というわけで、どうやら東京へ帰れることに。
宿のお父さんお母さんに慌ただしくお礼を行って、港まで送っていただく。

しばらくして船が到着したものの、やはり着岸に手間取っている様子。
その間、待ち合い室で、イルカのDVDを見ているうちに欲しくなってしまい、思わずそのDVDを購入。
御蔵島で撮影されたもの。
くっそー、晴れてれば、こんな風にイルカが見れるのか!
くやしい!
また来てやる!

flickr=3602723161
さようなら御蔵島

flickr=3602725157
雲にすっぽりと覆われている御蔵島

flickr=3602729873
15:30頃。
今頃になって晴れやがって。

flickr=3602726495
船の中の自販機

身体が疲れてると、こういうジャンキーでしょっぱいものが食べたくなりますな。
食べなかったけど。

ちなみに、船の中の自販機って、通常より高い設定になってる印象だったのだけど、どの自販機も陸と同じ料金でした。
缶ジュースもペットボトルも。

flickr=3603539636
こんなんもある。

そんなわけで、2泊2日、実質1日半のイルカと泳ぐ旅@御蔵島でした。

改めて思ったのだけど、イルカって特殊な、というか不思議な生き物だなあ、と。
御蔵島のイルカは、餌付けもなにもしていない野生のイルカらしいのだけど、野生の動物が人間に寄ってくるっていうのがまず不思議。

あと、イルカに遊んでもらった際に、自分の口から自然と出た言葉が「ありがとう」でした。
人類という意味では、アタシたちは、かなり酷い取り返しのつかないことを多々行なってきた、いや未だに行なっている種族なわけだけど、そんな人類を相手にしてくれて「ありがとう」だったのかな。
「イルカって癒されるよねー」みたいな言説があるけど、どちらかというと身が引き締まる思いかも。

それから、こういう環境を厳しく守っている島の人たちにも感謝。
イルカウォッチングを観光収入源にしていることには変わりないけど、そのバランスをちゃんと島中で考えているという印象。
人口の少ない小さな島だから可能なことなのかも。
勝手な願いだけど、これからもこの環境を保全していっていただけたら、と願うばかり。

コメント